エクセルで共同作業をする場合、他の人がどこをどう編集し変更したのか知りたいことがありますね。自分の手元に元データがあれば、簡単に編集されたセルを見つけることができます。エクセルの「条件付き書式」機能を使います。
「校閲」タブにある「ブックの共有」機能を使い、変更履歴の記録を残すこともできますが、それとは別の方法です。
したいこと
画像のように、元データと比較して、だれかが編集したセルを塗りつぶして表示したいと思います。
だれかが編集したセルを見つけるには?
必要なもの
以下の2つのファイルです。
- 元データ
- 編集データ
元データ
自分が編集した最後のデータを“元データ”とします。これが残っていることが前提です。
編集データ
元データをだれかに渡し、その人が編集したデータでのことです。
編集したセルを見つける手順
手順はかんたんで、以下の2つのことを行います。
- 編集データにシートを追加して元データを貼り付ける
- 編集データで“条件付き書式“を使う
1.編集データにシートを追加して元データを貼り付ける
編集データのエクセルファイルを開き、シートを追加して元データを貼り付けておきましょう。
最も良いのは、他の人にファイルを渡す時、シートをコピーして「元データ」シートを作成しておくことです。相手の方には「編集用」のシートで編集してもらえます。ただ、それを忘れても、元データが手元にあればOKです。「元データ」シートを追加したら、次の手順に移りましょう。
2.編集データで“条件付き書式“を使う
編集データ上で、まず比較したいセルの範囲選択します。見出し行を除いて左上部のセル上で、Ctrl+Shift+→とCtrl+Shift+↓を使うと便利ですね。
その後、ホーム>条件付き書式>セルの強調表示ルール>その他のルール へと進んでください。
「新しい書式ルール」ウィンドウが開きます。ルールの種類は「指定の値を含むセルだけを書式設定」を選択します。ルールの内容は、画像の通り「次の値に等しくない」を選択してください。これから詳細を説明しますが、元データの「値に等しくない」セルを抽出するためです。
その後、赤丸で囲ったところにカーソルがある状態で、追加した「元データ」のシートをクリックしてください。
次に、データの先頭セル(画像ではA2セル)をクリックします。「=元データ!$A$2」と入力されるはずです。
ここでポイントがあります。
画像の通り、F4キーを3回押すと「$A$2」が「A2」に変更されます。”絶対参照”から”相対参照”へ変更します。
絶対参照($A$2)のままだと、元データと比較するのは常にA2セルの値(A-101)に固定されます。その場合、元データのどのセルと比較しても、基本的には「値に等しくない」と判断されてしまいます。これを相対参照(A2)にするとどうなるでしょうか。元データの中でも対応するセルの値と比較してくれます。「編集データ」のB2セルなら、「元データ」のB2セルと比較するといった具合に、”相対参照”してくれるということです。このようにして、編集されたセルを洗い出していくことができます。
ここまでできたら、「書式」をクリックします。
「セルの書式設定」ウィンドウが開きます。「塗りつぶし」タブを選択して、色を選んで「OK」をクリックします。「新しい書式ルール」ウィンドウでも「OK」をクリックしましょう。
画像の通り、元データから変更されたセルが指定した色に塗りつぶされました。これなら変更されたセルをすぐに見つけられますね!
塗りつぶしではなく、フォントを指定して、変更されたセルを表示することも可能です。
一度作成したルールは、「条件付き書式」>「ルールの管理」で確認できます。
ここで現在指定されているルールや適用先について確認できます。「ルールの編集」をクリックしてみてください。
「書式ルールの編集」ウィンドウが開きます。再度「書式」を選択します。
先程指定した「塗りつぶし」タブで「色なし」を選択して「OK」し、書式をリセットします。
その後、今度は「フォント」タブを選択します。例えば「色」を赤色にして、「OK」してみましょう。
「書式ルールの編集」ウィンドウでも、「OK」をクリックします。
指定したルールの通り、変更されたセルのフォントが赤色に変わりました。
まとめ
いかがでしたか。今回は、だれかが編集し変更したセルをすぐに見つける方法についてでした。エクセルの「条件付き書式」機能を使うと便利ですね!
引き続き、エクセル活用術について書いていきます。このシリーズが、少しでも皆様のお役に立つことを願っています。では、次回もお楽しみに!