機能改善された新チェックボックスの作り方やチェックボックスと連動させて集計する方法をご紹介します。チェックのON・OFFに合わせて、集計したりセルを塗りつぶしたりする方法についても解説します。
新チェックボックスで機能改善
2023年秋に機能改善された新チェックボックスが,2024年7月までにOffice365版エクセルの「挿入」タブに追加されました。旧チェックボックスと比較すると,かなり使いやすくなっています。
「挿入」タブの「コントロール」エリアに「チェックボックス」が追加されています。
新チェックボックスの挿入
チェックボックスを挿入したいセルを選択して,「チェックボックス」をクリックするだけ挿入できます。
チェックのON・OFFはクリックしてもできますが,セル選択後にスペースキーでも可能です。複数選択してからスペースキーを使えば,一括でON・OFFできます。
新チェックボックスとセルの連動
最初から連動しています。
新チェックボックスは,数式バーをみると分かりますが,チェックされている場合はTRUE,チェックされていない場合はFALSEとなっていて,最初からセルと連動しています。
旧チェックボックスでは,チェックボックスとセルを連動させるために一つ一つ設定する必要がありましたので,とても便利でかんたんになりましたね。
旧チェックボックスの挿入
今回は上の「新生活購入品リスト」で解説していきます。
リボンにある「開発」タブから、チェックボックスを挿入できます。
「開発」タブが表示されていない場合
リボン上の何もないところで右クリックして表示されるメニューから「リボンのユーザー設定」をクリックします。
Excelのオプションが開き、ここでリボンのカスタマイズができます。「開発」にチェックを入れて「OK」してください。これだけで「開発」タブが表示されます。
チェックボックスの挿入方法
開発>挿入>フォーム コントロール にあるチェックボックスのアイコンを選択してください。
マウスポインタがが細い十字に変わるので、チェックボックスを入れたいセル上で左クリックしてください。画像のようにチェックボックスが挿入されます。
最初はボックスとタイトル(画像では「チェック1」)がついています。タイトルは今回必要ないのでDeleteしておきます。ボックスの大きさはチェックボックスに合わせて狭めておきましょう。
セルの真ん中に配置できました。
オートフィルで他のセルにもチェックボックスを表示させることができます。
この段階では、チェックのON・OFFが見た目で分かるだけです。セルと連動させて集計してみましょう。
旧チェックボックスとセルの連動
チェックボックスを右クリックして表示されるメニューから、「コントロールの書式設定」を選択してください。
「オブジェクトの書式設定」というダイアログが開きます。「コントロール」タブ内の「リンクするセル」をクリックして、チェックボックスの入った該当するセル(画像の場合C3)を選択しましょう。絶対参照($C$3)で入力されますが、そのまま「OK」をクリックします。
これでチェックボックスとセルが連動するようになります。
チェックを入れると「TRUE」、チェックを外すと「FALSE」と表示されます。
次のチェックボックスが入ったセルでも、同様に設定していきます。C3~C8セルまですべて連動させましょう。
すべてリンクして連動させることができました。
では、集計してみましょう。
チェックボックスと連動した集計
かんたんな関数を使って集計します。購入済みの品目数とその合計金額を集計してみます。
COUNTIF関数
購入済みの品目数の集計は、COUNTIF関数を使います。1 つの検索条件に一致するセルの個数を返す関数です。
- 範囲:チェックボックスのあるセル全体を選択
- 検索条件:TRUE(つまりチェックされたセル)
C10セルに、次のように入力します。
=COUNTIF(C3:C8,TRUE)
「TRUE」つまりチェックボックスがONの状態になっているセルの個数「3」を返しています。3品目は購入済みということです。
チェックを変更してみます。連動して「TRUE」のセルの個数が返されていますね。
SUMIF関数
購入済み品目の合計金額を集計するには、SUMIF関数を使います。
- 範囲:チェックボックスのあるセル全体を選択
- 検索条件:TRUE(つまりチェックされたセル)
- 合計範囲:金額が入っているセル全体を選択
C11セルに、次のように入力します。
=SUMIF(C3:C8,TRUE,B3:B8)
画像のように、「TRUE」のセルに対応した金額を集計してくれています。
当然ですが、チェックを変更すると、それに連動した値を返していますね。
チェックボックスだけを表示させる
「TRUE」や「FALSE」の表示を消して、チェックボックスだけを表示させてみましょう。
範囲選択(C3:C8)して、「セルの書式設定」を開きます。ショートカットでは、Ctrl+1です。
「表示形式」タブの「分類」を「ユーザー定義」にします。「種類」の枠内に「;;;」(セミコロンを3つ)を入力してください。これはかんたんに言えば、どんな値が入っても何も表示しないという意味です。その後「OK」をクリックします。
こちらのほうが見やすいですね。あくまでも表示を消しただけなので、対象セルを選択すると数式バーには「TRUE」「FALSE」が入っていて、チェックに合わせて連動しているということです。
チェックボックスをONにしたセルを塗りつぶす
チェックボックスをONにしたセル(行)を、指定した色に塗りつぶしてみましょう。OFFの場合は、塗りつぶしなしの設定にします。
「条件付き書式」を使う
塗りつぶしたい範囲を選択した状態で、ホーム>条件付き書式>新しいルール を選択します。
「新しい書式ルール」ダイアログが開きます。ルールの種類を「数式を使用して、書式設定するセルを決定」にします。ルールの内容の枠内には、=を入力した後、チェックボックスのある最初セル(画像ではC3)を選択します。絶対参照($C$3)で入力されますが、C列は固定し、行は相対参照にするため、3の前の$を消しておきましょう。
その後、=TRUE と入力します。数式は、以下の通りです。
=$C3=TRUE
ここまでできたら、「書式」をクリックしてください。
「塗りつぶし」タブで、塗りつぶしの色を選択し「OK」します。ルールのダイアログでも「OK」をクリックします。
チェックボックスにチェックが入ったセルだけが、指定した色に塗りつぶされました。
まとめ
いかがでしたか。今回はチェックボックスの作り方やチェックボックスと連動させて集計する方法をご紹介しました。「条件付き書式」を使って、チェックに合わせてセルを塗りつぶすこともできます。会議の出欠や提出物の有無など、様々なシーンで活用できそうですね。
では、次回もお楽しみに!