現在、このサイトは、WebARENAというレンタルサーバでwebサーバとメールサーバを運用しています。諸事情でレンタルサーバを替えることにしました。最終的には、Webサーバはmixhostにすることを考えていますが、現時点では下記のような構成になっています。
Webサーバ: | WebARENA |
メールサーバ: | さくらのメールボックス |
ネームサーバ: | エックスドメイン |
ネームサーバの移行については、「レンタルサーバの引っ越し② - ドメイン管理会社の移管とネームサーバーの変更」をご参照ください。今回は、メールサーバをWebARENAからさくらのメールボックスに切り替える手順をまとめてみたいと思います。
目次
大まかな流れについて
まずは、大まかな流れをまとめておきます。
- ①.さくらのメールボックスの申し込み。
- ②.新しいサーバにメールアドレスや転送などの設定を行う。
- ③.現メールサーバにあるメールデータを保存しておく。
- ④.新旧の両メールサーバに届くメールを受信できるようメールソフトを設定しておく。
- ⑤.DNSレコードを編集する。
では、順にご説明します。
さくらのメールボックスの申し込み
さくらのメールボックスの申し込みは簡単なのでここで詳細は記しません。注意が必要な点は、無料の2週間お試し期間には、制限があることです。独自ドメインを使うことは、年会費を支払ってからになります。わたしの場合、独自ドメインを使用しますので、まずは年会費を振り込む必要がありました。とはいえ、年会費を支払っても、実際の契約は、2週間の無料お試し期間が終わってからになります。早めに年会費を支払っても2週間の無料お試し期間が無駄になるわけではないのでご安心ください。
新メールサーバにメールアドレスなどを設定
現メールサーバ(WebARENA)に登録されているメールアドレスやメーリングリストを新しいメールサーバ(さくらのメールボックス)に登録する必要があります。転送設定などがある場合は、それらも新しいメールサーバに設定する必要があるでしょう。
メールデータのバックアップ
現メールサーバ(WebARENA)にあるメールデータのバックアップを取っておくと良いでしょう。POPでメール受信している場合は、メールデータがローカルPCにありますが、IMAPでメールを見ている場合は、ローカルPCにメールデータをコピーするなどしておくと良いかもしれません。新しいメールサーバにデータを移す方法については、別の記事で書きたいと思います。
メールソフトの設定
DNSの変更が浸透するまで数日程度かかることがあります。その間は、新旧のどちらのメールサーバにメールが届くか分かりません。それで、どちらのメールサーバにメールが届いても受信できるようにメールソフトを設定しておくと良いでしょう。やはり、業務関係するメールの取りこぼしはトラブルになりかねませんので・・・・。この点も別の記事で詳細を記したいと思います。
DNSレコードの編集
さて、いよいよDNSレコードの編集です。これまで、coeure.co.jpドメイン宛のメールは、WebARENAのメールサーバに届くようにDNSが設定されていました。その設定を、さくらのメールボックスに届くように変更する必要があります。以下のような例で話を進めてみます。
- ◆ さくらのメールボックスの初期ドメイン:hogehoge.sakura.ne.jp
- ◆ さくらのメールボックスのホスト名:www****.sakura.ne.jp
- ◆ さくらのメールボックスのIPアドレス:xxx.xxx.xxx.xxx
さくらのメールボックスのホスト名とIPアドレスは、サーバコントロールパネルの「サーバ情報の表示」をクリックするとサーバに関する情報を見ることができます。「****」部分は、ドメインごとに異なりますので、サーバコントロールパネルでご確認ください。
メールサーバに関連するDNSレコードは、MXレコードです。それだけでもメールの受信はできるのですが、TXTレコード(SPFレコード)を追加する場合もあります。DNSレコードについて、まとめておきます。
ホスト名 | TYPE | VALUE | 優先 |
coeure.co.jp | MX | hogehoge.sakura.ne.jp | 10 |
coeure.co.jp | TXT | v=spf1 +a:www****.sakura.ne.jp -all |
つまり、既存DNSレコードのMXレコードとTXTレコードのVALUEを書き換えるだけということになります。Aレコードの書き換えは不要です。
SPFレコードについて
さて、TXTレコードについてもう少し書いておきます。このTXTレコードは、SPFレコードとも呼ばれるものです。SPFレコードはなくてもメールの送信は可能です。では、なぜSPFレコードの設定をするのでしょうか。それは、送信したメールがスパム(迷惑メール)としてはじかれることを避けるためです。
もう少し、SPFレコードについて書いてみたいと思います。まずは、SPFレコードの書式についてです。「+」とか「-」といった記号が出てきます。ちなみに、「+」は省略されることがあります。また、「-」の部分が「~」になっている場合もあります。
v=spf1について
v=spf1は、SPFのバージョンを指しているようです。いわば決まり文句として書いておく必要があります。
「+」記号について
「+」記号は、その後で指定されているIPアドレスからのメールであれば受信を許可するという意味があります。つまり、coeure.co.jpがSPFレコードで指定されたIPアドレス以外から送信されたらスパムと判断される可能性があるというわけです。スパムと判断するかどうかは、あくまでも受信側のサーバの設定によります。
この例では、「a:www****.sakura.ne.jp」とあります。これは、www****.sakura.ne.jpというドメインのAレコードに記述されているIPアドレスからのメールは許可するという意味です。この部分を「IP4:xxx.xxx.xxx.xxx」としてメールサーバのIPアドレスを指定することもできます。
「-」記号について
次に「-」記号は、メール受信の拒否を表わす記号です。そして、その後にはたいてい「all」がつけられています。「-all」は、「+」で示されたどの条件にも合わない場合は、メールの受信を拒否しますよという意味になります。「-」の代わりに「~」が用いられている場合は、「-」よりもやんわりと拒否しますという感じです。これも、受信するサーバの設定次第なので、受信するサーバによっては、「-」も「~」もどちらも拒否するという設定もあるかもしれません。
切り替えを確認する
はやい場合は、数分程度で、新しいメールサーバにメールが届き始めます。続いて、SPFレコードが正しく設定されているかどうかを確認しておく必要があります。SPFレコードのテストができるサイトがいろいろあります。英語のサイトが多いので使いづらいですが、その中の一つをご紹介しておきます。
これは、ドメイン名を入力するだけなので簡単です。SPF RECORD LOOKUPボタンをクリックするとすぐにテスト結果が出てきます。
SPFレコードが正しく設定されていることを確認できたらOKです。これで、メールサーバとウェブサーバとを分けることができました。では、今回の記事はここまでです。