システム開発での失敗というのは、多額の投資が無駄になる危険もあり何としても避けたいことですね。とはいえ、世界的なIT企業でも某地銀にシステム開発の失敗で訴えられるなど大手IT企業だから大丈夫というわけでもありません。最高裁がそのIT企業に42億円の賠償を命じるという判決を下したようです。
とはいえ、当社のような小さなシステム会社の場合、システム導入のお手伝いさせていただくのは中小規模の企業様になります。社内に情報システム部はなく、パソコンのことに詳しい社員様がエクセルを使って業務を回してきたものの、そろそろシステムを導入したほうが良いかなとお考えの企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。では、システムの導入に失敗しないために、どうやって良いシステム開発会社を選ぶことができるでしょうか。いわゆる大規模のシステムではなく、数十万円から数百万円規模、大きくても2000万円程度の予算でシステム導入をお考えの企業様を対象にこの記事を書いてみたいと思います。まずは、システム会社を選ぶ前に検討できることを考えてみましょう。
システム化したいのはどのような業務か
どのような業務をシステム化するのでしょうか。一般的にどのような会社にでも存在する業務というものが存在します。たとえば、財務・会計や人事・給与といった業務です。つまり、これらの業務は定型化しやすい業務ということができるかもしれません。一方で、各会社に独特の業務というものもあります。たとえば、物流や生産といった業務は、作るものがさまざまあり定型化することがどちらかといえば難しい分野と言えるかもしれません。まずは、これからシステム化したいのはどのような業務かを検討することから始めることができるでしょう。
業務システム導入のパターン
1.パッケージソフトを導入する
パッケージソフトとは、最初からほぼ出来上がっているか、少し手を加えるだけで利用できるシステムです。定型化しやすい業務をシステム化する場合は、概ねこのパターンが向いているでしょう。財務・会計や人事・給与などはよくパッケージソフトが用いられます。そういった業務は、概ねどこの会社でも大きな差はありませんね。そのような場合、パッケージソフトの導入は効果的です。費用面で比較的安価に抑えることができますし、導入する前にどのようなソフトかを確認することができますので失敗することも少ないでしょう。しかし、導入するパッケージソフトに合せて業務の流れを変えなければならないこともあります。
2.オーダーメイドでシステムを構築する
その会社独自の業務の流れがあり、パッケージソフトを用いることが難しい場合、オーダーメイドのシステムを構築することになります。ただし、ある程度の費用がかかってしまいます。しかし、それぞれの会社の業務にピッタリのシステムなので業務効率をより高めることができるでしょう。
パッケージにするか、オーダーメイドにするかで流れが大きく変わります。まずは社内でじっくり検討されることをお勧めします。とはいえ、そもそもどこから手を付けたら良いか分からないということもありますよね。場合によっては、現在の業務のどこをシステム化するかについて考慮する段階からシステム会社に入ってもらう必要があるかもしれません。いわゆるコンサル的なポジションでシステム会社が入るというパターンです。いよいよ次回は、システム会社の選び方について書いてみたいと思います。