Webサイトを使ったマーケティング戦略②- 新米Web担のためのホームページの作り方 | 第34回

先回の記事では,商品やサービスの持つ3つの「価値」,つまり

1.機能的価値

2.心理的価値

3.経済的価値

を取り上げました。 では,わたしたちがユーザーにアピールする際に,強調すべき「価値」はいったいどれでしょうか?

 

 

心理的価値と経済的価値を強調する

このタイトルの通り,わたしたちがユーザーに提供する際に強調すべき「価値」は,機能的価値ではなく,心理的価値と経済的価値です。

つまり,その商品やサービスのスペックといった「数値に現れる」要素ではなく,いわば「目に見えない」要素を強調してアピールする必要があるということです。

ここが,その商品やサービスの設計製造に携わった技術者と,マーケティング担当者の観点が異なる部分です。

 

”顧客が欲しいのは,ドリルではなく開けられた穴”

 

「顧客が欲しいのは,ドリルではなく開けられた穴」という表現があります。

これは,少し乱暴な言い方になりますが,「売り手はドリルの性能やスペックをアピールするが,買う側はそのようなことはどうでもよく,結局穴が開けられれば良い」という意味です。

先にも取り上げたように,一般に商品やサービスの設計製造に携わった生産者側は,その商品のスペックや技術的な部分に注目してほしいと思うものです。 やはり生産者はその商品のスペックの向上のために努力しており,その部分が他社との区別化を図ることができる分野だからです。

しかし,その商品を実際に販売するという段階では,違った観点でのアピールが必要になります。

つまり,これが商品やサービスの提供者の目線ではなく,それを受け取るお客様の目線で考える必要があるということです。

 

 

商品やサービスがもたらす益,効果を強調する

つまり、販売する際には製品のスペックではなく,その商品やサービスがもたらす益,効果を強調する必要があるということです。

もちろん,その商品の価値を判断するのは最終的に消費者です。 消費者はその商品の「価値」を考え,その「価値」に対してこの金額を支払うのが妥当であるかどうかを判断し購入するからです。

しかしながら,自社の製品やサービスの「心理的価値」と「経済的価値」を見出し,それを上手にアピールするのは,売り手側の責任です。

では具体的にどのように「心理的価値」と「経済的価値」を強調できるでしょうか?

 

 

イメージを活用する

心理的価値を強調するために活用される手段の一つが,画像や動画や音楽などの媒体を活用することです。

例えば,車の宣伝方法について考えてみますと,通常,何の背景もないところに商品の車だけしか映っていない広告というのはありません。

大抵は,緑の草原の中や綺麗な外国の市街地を軽快に走っている姿,家族で楽しくドライブしている情景,または,ラグジュアリーなイメージを出すために,赤い絨毯の敷かれたコンサート会場に車で乗り付ける情景などが,広告として採用されています。

確かに実際には,顧客が車を購入したところで,そのような綺麗なところをドライブできるようになるわけでも,絨毯の敷かれたコンサート会場に行けるようになるわけでもありません。

また,実際には車の購入者は運転する際,車の中にいるため,宣伝のようにかっこよく走る姿を自分が見れるわけでもありません。

しかし,そのような画像や動画,音楽などの媒体と組み合わせて宣伝することにより,消費者に,「その車」と「そのイメージ」を関連して記憶してもらうことができます。

そして,消費者は,その車を買うなら,自分も「そのイメージ」から感じる幸福感や満足感を経験できると感じるようになります。

実際,買い手は,その商品そのものにお金を支払っているのではなく,その商品を購入して使ったときに感じることのできる満足感,達成感,優越感などにお金を払っているのです。

 

 

Webサイト作成の際どのように活用できるか

そのようなわけで,Webサイトを作成するときにも,イメージや動画を上手に活用し,自社の製品やサービスが,魅力的なイメージを顧客に与えるような構成にしたいものです。

それで,Webサイト上で使用する写真や動画をよく選ぶことは重要です。

 

 

明るく,開放的で,透明感のある画像

基本的には,できるだけ明るく,開放的で,透明感のある画像を活用するようにしましょう。

綺麗で清潔なものが嫌いな人はいないからです。

自社の製品を撮影するときはできるだけ,画質のよいカメラで撮影しましょう。

撮影後も,明るさやコントラストを画像ソフトで加工する必要があります。

 

 

背景が魅力的な画像

もちろん,その商品やサービスにマッチした画像を選ぶ必要がありますが,実際の商品の背景に何が映っているかにも注意を払いましょう。

実際の商品の背景が魅力的だと,その商品も魅力的に見えます。

 

 

人物と一緒に商品が映っている画像

商品やサービスの種類にもよりますが,可能な限り,その商品だけでなく,それを使用している人物も含めた画像を使用しましょう。

そして,その使用している人物が笑顔であったり,幸せそうであれば,消費者は,その商品を購入したときの満足感をイメージしやすくなります。

 

 

まとめ

これまでのところで見てきた通り,Webサイトを作成する際に,ちょっとしたマーケティングに関する知識を応用することによって,一層効果的なWebサイトの構築ができます。

もちろん,これには顧客のニーズを理解することも重要です。

次回の記事ではその点を取り上げたいと思います。

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コアース株式会社

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